はじめに
お久しぶりです。Saitaniです。
赴任してから少し時間が経ち、徐々に時間が作れるようになってきた?気がしますので、ブログの更新も再開していきたいなと思っています。
今回の記事では特に「JICAの有期職員」の複数ポストを紹介し、自分に合った経験や知識が得られるような有期ポストを選べるような内容になれば良いなと思っています。
JICAの有期職員の種類
有期職員の概要
JICAには複数の有期職員がいます。今回紹介するのは、JICAと直接契約を結ぶ有期職員ですが、この他にも派遣会社等から事務スタッフが雇われています。
さらに、有期職員といっても待遇等結構異なり、今後のキャリア形成の方向性によっても選択は大きく異なるように思います。
以下が今回紹介するポストになります。
①期限付職員
私の個人的な印象では、JICAの国内センター(参考:日本での取り組み – JICA)に多い気がしますが、在外事務所でも一定の募集があるようです。
JICA職員のうち、期限を定めた契約に基づき、JICA事業や組織運営にかかる特定の業務に従事します。
期限付職員とは | PARTNER 国際キャリア総合情報サイト (jica.go.jp)
業務内容についての専門性を高めるとともに、国際協力の経験、キャリアを積むことができます。
一定条件を満たす方について正職員への登用制度もあります。
②専門嘱託
ライフスタイルが変わり、日本国内で生活しながら国際協力に関わりたい方に良いかも知れません。
JICAの本部や国内及び在外の拠点において、JICA事業や組織運営にかかる特定の業務に従事します。
専門嘱託とは | PARTNER 国際キャリア総合情報サイト (jica.go.jp)
業務内容についての専門性を高めるとともに、国際協力の経験、キャリアを積むことができます。
一定条件を満たす方について正職員への登用制度もあります。
③特別嘱託
国際協力専門員に次ぐ専門性、経験値の高い方が多い印象です。
特別嘱託は、人材確保が困難な分野の専門技術を有する人材で、専門家・企画調査員として1年以上の派遣経験を有する方または他の国際経験等、これと同等の経歴を有する方を委嘱する制度です。委嘱終了後は、原則として当該分野の専門家等として海外に長期派遣可能な方が対象となります。
特別嘱託としての委嘱期間中は、JICA本部にて、各人の専門性を活かしながら、情報収集や分析、プロジェクト形成のための事前調査から、実施中のプロジェクトの支援業務に従事します。委嘱期間は、原則1年です。(委嘱期間は、双方の合意に基づき、同一の案件について委嘱期間が2年間を上限として更新される可能性もあります)
しごと@JICA | PARTNER | 国際キャリア総合情報サイト
専門性・経験で国際協力専門員に次ぐポストは、現在「アソシエイト専門員」になるようです。
国際協力専門員は、日本の省庁で働かれていた方、JICAの長期専門家だった方、国際機関で働いていた方等がなっている印象です。
アソシエイト専門員は、2023年から始まった制度ですが、国際協力専門員が部/グループに付くのに対し、もう1つ下のチームに付くようですのでより特定分野の業務に関わるのではないかと思います。
④ジュニア専門員
元協力隊の人が多数を占めるイメージです。
ジュニア専門員制度は、開発途上国・地域等における開発援助の専門知識と一定の活動経験を有し、将来にわたり国際協力業務に従事することを志望する若手人材を対象に、主に国内においてJICA事業を実地に研修する機会を提供するものです。それにより、国際協力に関する実践的な計画策定、運営管理といった協力手法等についての能力の向上を図り、JICA事業実施においてニーズがありながら人材が不足する分野の人材を養成することを目的とします。
研修は、JICA本部における国内研修を中心に行い、期間は最長1年6ヵ月とします。なお、研修終了後は、長期の専門家等として海外へ派遣されることを原則とします。
ジュニア専門員とは | JICAについて – JICA
⑤国際協力推進員/国内協力員
この2つのポジションは、国際協力推進員が、特定の都道府県に対してJICAの広報・啓蒙活動を行うのに対し、国内協力員は、特定の都道府県に対して海外協力隊の募集、選考、隊員の帰国後支援等を行うものになります。基本的に国内センターで募集されている気がします。
国内協力員とは、青年海外協力隊及び日系社会青年ボランティアの経験を生かしつつボランティア事業運営における様々な業務に携わる人材です。帰国したJICAボランティア経験者がJICAの本部や国内拠点でボランティアの募集・選考や帰国後支援などに携わっています。
契約期間は、年度ごとに契約を行い、最長2年間です。
しごと@JICA | PARTNER | 国際キャリア総合情報サイト
⑥企画調査員
企画調査員には企画とボランティア事業という2つのポストがあり、役割が異なります。
企画というのが、主に分野ごと(インフラ、ガバナンス、保険、法律、農業等)の業務管理を担当することになります。
一方、ボランティア事業というのは、協力隊の管理を行うことになります。
JICAの在外事務所で、担当分野・課題に関する案件形成やプロジェクトの実施監理、情報収集・分析、他の開発パートナーとの連携などを行います。
企画調査員 | JICAについて – JICA
(注)この他に、企画調査員(資金協力)、(経理)のポストがあります。
有期職員の比較
概要に示したように、JICAの有期職員といっても多様にあり、今後のキャリア選択やライフステージによって選択は異なることが推測できます。
簡単に、以下の表に各有期職員の概要を比較します。
※1 上記の表は2023年10月の有期職制募集ポスト一覧を基に作成しています。 ※2 「海外における開発援助に関する勤務経験(青年海外協力隊員等)を1年以上有すること。」と記載されています。 ※3 格付3号(経験年数目安7-10年)の場合で、月額基本給308,170円。格付4号(経験年数目安11-17年)の場合で、月額基本給372,000円 ※4 特別嘱託3号(経験年数5年以上)で、月額基本給421,160円。特別嘱託5号(経験年数11年以上)で、月額基本給579,370円。 ※5 お給料はhttps://www.jica.go.jp/about/recruit/kikakuchosain/__icsFiles/afieldfile/2023/07/04/treat_01.pdfを参照ください ※6 在外基本手当は、赴任国によって異なります。詳細はこちらをご参照ください。 (参考:https://www.jica.go.jp/Resource/recruit/kikakuchosain/ku57pq00002any9w-att/treat_02.pdf) |
JICAの有期職員の主な進路
将来的にJICAの正職員を目指したい方には、「期限付職員」、「専門嘱託」と「国内協力員」がおすすめです。
正職員の登用の際は、総合職と特定職の選択ができ、特定職の場合は海外事務所への異動はありません。
一方、もう一つの主要な進路であるJICAの長期専門家は、「特別嘱託」と「ジュニア専門員」からなることが可能です。
JICAの長期専門家は、公募しているポストの方が多いと思いますのでJICAの有期職員以外でも応募可能です。
「特別嘱託」から専門家になる場合は、「チーフアドバイザー」、「技術協力プロジェクト専門家(技術移転型)」、「個別専門家」になることが多く、「ジュニア専門員」から専門家になる場合は、「技術協力プロジェクト専門家(業務調整)」で、一部「技術協力プロジェクト専門家(技術移転型)」、「個別専門家」、「チーフアドバイザー」になるようです。
ジュニア専門員は、「大学卒業後15年未満であることが望ましい」と記載がある一方、40歳前後の方も一部いらっしゃるので、専門家になってからの業務内容が多少異なるようです。
賞与の有無
月給の額面だけ見ると、「特別嘱託」、「ジュニア専門員」、「国際協力推進員/国内協力員」が高いように思いますが、年収ベースで考えると、「期限付職員」、「専門嘱託」の方が高いか「特別嘱託」と同じくらいになるのではないかと思います。
「企画調査員」は給料の面においては、在外基本手当+賞与があるので有期職員の中では頭一つ抜けているように思いますが、その後の進路がJICAの正職員でも長期専門家でもないところに理由があるのではと思います。
JICA有期雇用の魅力
JICA有期雇用の魅力は、次のポストを自らの意志で決められること。
JICAの正職員の場合、全く興味のない部署や在外事務所に行く可能性もありますが、有期雇用の場合はその時のポストにもよりますが、ある程度自分の意志で働く場所、分野を選択することができます。
この業界にいると、たまにJICAの有期職員のポストを転々としている方がいらっしゃいます。
そういう方からよく聞くのは、5年以上JICAの有期ポストで継続して働くことができないので、5年後に半年間JICAで働けなくなる期間があるそうです。(その後は、働けるらしいです。。。)
最後に
有期雇用のポストといっても、かなり契約内容が異なることが分かったかと思います。
JICA有期職員というキャリアが、同じ業界で働く方、この業界に興味を持っている方の選択肢の1つになれば幸いです。
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